
お茶碗の中の『ごちそうさま』の文字の裏話
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お茶碗の中に見つけた「ごちそうさま」
〜竹堂園と子どもたちの食卓にまつわる、やさしい物語〜
ご飯を食べ終えたあと、お茶碗の底にふわりと現れる「ごちそうさま」の文字。それは、竹堂園の子ども食器シリーズ「のっぽのポノ」のお茶碗の中にそっと描かれた、小さなサプライズです。
日々の暮らしの中で、ごはんの時間は子どもたちの健やかな成長を育む大切なひととき。
その時間をもっと楽しく、もっとあたたかくするために。
そんな想いから生まれたのが、この“ごちそうさま”の文字でした。
愛知県瀬戸市で受け継がれる器づくり
竹堂園は、愛知県瀬戸市にある、100年以上の歴史を持つ陶磁器の窯元です。
古くから「やきもののまち」として知られる瀬戸市は、土と炎に恵まれた土地。そんな場所で、私たちは代々にわたって、家庭の中に溶け込む器をつくり続けてきました。
「毎日の暮らしに、ほんの少しのあたたかさを。」
この想いを胸に、日用品としての器に、使いやすさと親しみやすさを大切にしてきた竹堂園。その中で、15年以上前、新たな一歩として始めたのが「子ども食器」の製作でした。
子ども食器づくりの原点、「のっぽのポノ」
15年以上前、竹堂園の初めての子ども食器として生まれたのが、名入れシリーズ「のっぽのポノ」。このシリーズは、子どもたちの食卓をもっと笑顔にしたいという想いから誕生しました。
子どもが食事の時間を楽しみ、自分で食べたいと思えるように。
そして、器を使うご家族にとっても、思わずほほえんでしまうような、やさしさとかわいらしさが詰まった器であるように。
そんな願いを形にしたのが、「のっぽのポノ」です。
ポノというキャラクターは、竹堂園で働いていたデザイナーさんに作っていただいたかわいらしいキリンのキャラクター。そんなポノと一緒に食べるご飯は、まるで絵本の世界に入り込んだような、特別な時間になります。
そして、このシリーズの特徴のひとつが、お茶碗の内側に描かれた「ごちそうさま」の文字です。
お茶碗の底にひっそりと、「ごちそうさま」
「のっぽのポノ」シリーズのお茶碗の底には、「ごちそうさま」という言葉がそっと描かれています。ご飯を食べ進めるたびに、少しずつ姿を現し、最後の一口まで食べたときには、きちんと読めるようになる——。
その仕掛けに、子どもたちは自然と目を輝かせてくれます。
この「ごちそうさま」の文字には、食べる楽しさを知ってほしいという気持ちと、完食した達成感を感じてほしいという願いが込められています。
小さな子どもにとって、食べるという行為はまだ学びの途中。
ひとりで食べる、自分のペースで食べきる、食後のあいさつをする——
そうした日々の習慣を少しずつ身につけるサポートになればと、竹堂園はこの仕掛けを器に込めました。
「ごちそうさま」の文字を入れた理由
食べ終えたあとに見える文字として、「おかわり!」という選択肢もありました。
でも、私たちはあえて「ごちそうさま」を選びました。
それは、おかわりをする子もしない子も、みんなに「よく頑張ったね」「おいしかったね」と伝えたかったから。
毎日たくさん食べられる子もいれば、少しずつしか食べられない子もいます。
でも、どの子にとっても、食べ終えるというのは大切な区切りであり、成長の一歩。そんな一歩を讃えるように、そっと現れる「ごちそうさま」の文字は、子どもたちの心に小さな達成感とやさしい喜びを届けてくれます。
お客様から届いたあたたかな声
この“ごちそうさま”の文字について、発売当初から本当にたくさんの嬉しいお声をいただいてきました。
「この文字を見るのが楽しくて、子どもが完食するようになりました」
「ご飯粒をきれいに食べるようになったので、洗い物も楽になりました」
「最後の一口を食べて“ごちそうさま”が出てくると、親子でちょっとした拍手をしてしまいます」
こうした声は、15年以上にわたって子ども食器を作り続けてきた私たちにとって、なによりの励みです。器づくりをしていて本当に良かったと思える瞬間でもあります。
そして何より、こうした小さな工夫が、ご家庭の食卓をちょっと明るくし、子どもたちの“食べる力”を育むお手伝いになっていることを、心から嬉しく思っています。
細やかさの中に宿る「やさしさ」と「かわいさ」
竹堂園の器は、「見た目のかわいさ」だけでなく、「使いやすさ」もとても大切にしています。
子どもの小さな手でもしっかりと持てるように設計されたフォルム。
食べ物をすくいやすいように工夫された内側のカーブ。
そして、食卓に自然になじむ、やさしく穏やかな色合い。
どれもが、“毎日使いたくなる器”を目指してつくられています。
また、名入れができるという点も、多くのご家庭からご好評をいただいています。
子どもにとって、自分の名前が入った器は特別な存在。
「これはぼくの」「わたしのだよ!」と嬉しそうに抱える姿に、親御さんも思わず笑顔になることでしょう。
これからも「ごちそうさま」を未来へ
私たち竹堂園は、器をつくることを通して、ごはんの時間にそっと寄り添っていきたいと願っています。
子どもたちが笑顔で「いただきます」と言い、「ごちそうさま」と言えるように。
そしてその器が、成長の記録として、家族の思い出の中に残っていくように。
これからも、ひとつひとつの器に心をこめて。
「食べること」の大切さと楽しさを、器を通じて伝えていけたらと思っています。
今日もどこかで、お茶碗の底から「ごちそうさま」が顔を出し、
子どもたちの誇らしげな笑顔とともに、家族の食卓にあたたかな時間が流れていきますように。
竹堂園はこれからも、そんな器をつくり続けてまいります。